
【阪神】2025年度 独自WARによる貢献度・費用対効果(ROI)の分析
独自WARによる貢献度・費用対効果(ROI)の包括的分析
📊 本分析における算出前提と定義 (2025年セ・リーグ確定値)
2025年は歴史的な「投高打低(点が入らない)」シーズンでした。従来の計算式では投手の価値が過小評価されるため、以下の2025年専用係数を用いて再計算を行いました。
1. 独自WAR (Wins Above Replacement)
「その選手が控え選手と入れ替わった場合に、チームの勝利数を何勝増やしたか」を示す指標。守備位置や稼働量(打席・投球回)も含めて総合評価します。
2. RPW (Runs Per Win)
8.49
(例年 約10.0)
「1勝に必要な得点差」。例年より極端に低く、「1点の価値」が非常に重い環境であることを示します。
3. cFIP (FIP定数)
2.69
(例年 約3.10)
運に左右されにくい指標(FIP)を防御率スケールに合わせる補正値。2点台という数値は、投手にとって圧倒的に有利な環境だった証左です。
4. 代替水準 (Replacement Level)
比較対象となる「控え選手」のレベル。
野手:打席×0.027 / 投手:回×0.084
※特に投手の基準を厳しく設定し、イニングを食うことの価値を高めています。
※市場適正価値(Value)は 1.0 WAR = 6,000万円 として簡易試算しています。
野手部門分析
※OPS .700超えで優秀とされる環境
| 評価 | 選手名 | 推定年俸 | OPS | 独自WAR | 市場価値試算 | 収支イメージ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S | 佐藤 輝明 | 1.5億円 | .924 | +8.2 | 4.9億円 | 大幅プラス |
| S | 森下 翔太 | 7,800万円 | .813 | +5.4 | 3.2億円 | 大幅プラス |
| A | 近本 光司 | 3.7億円 | .700 | +3.8 | 2.3億円 | 実績重視 |
| A | 大山 悠輔 | 3.4億円 | .758 | +3.6 | 2.2億円 | 実績重視 |
| A | 坂本 誠志郎 | 1.0億円 | .683 | +2.3 | 1.4億円 | 黒字 |
| B | 中野 拓夢 | 1.45億円 | .667 | +1.9 | 1.1億円 | やや割高 |
| B | 中川 勇斗 | 540万円 | .686 | +0.5 | 3,000万円 | 高効率 |
| C | 前川 右京 | 3,200万円 | .620 | -0.2 | – | 育成フェーズ |
| C | 木浪 聖也 | 6,500万円 | .515 | -0.5 | – | 課題 |
| C | 小幡 竜平 | 2,500万円 | .581 | -0.8 | – | 打撃課題 |
【野手総評】
佐藤輝明のWAR+8.2はリーグMVP級です。「打球が飛ばない」環境下でのOPS.924は傑出しており、森下も含めた中軸2人が極めて高い余剰価値(Surplus Value)を生んでいます。
一方、近本・大山・中野の主力組は、チームへの貢献自体は大きいものの、年俸対比(ROI)で見ると「支払額を下回る」フェーズに入りつつあります。特に二遊間の打撃貢献度低下(木浪・小幡のマイナス)は、来季の補強ポイントとなるでしょう。
一方、近本・大山・中野の主力組は、チームへの貢献自体は大きいものの、年俸対比(ROI)で見ると「支払額を下回る」フェーズに入りつつあります。特に二遊間の打撃貢献度低下(木浪・小幡のマイナス)は、来季の補強ポイントとなるでしょう。
投手部門分析
※FIPベース(純粋な投手能力)での評価
| 評価 | 選手名 | 推定年俸 | 投球回 | 独自WAR | 市場価値試算 | 収支イメージ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| S | 村上 頌樹 | 8,000万円 | 175.1 | +4.3 | 2.6億円 | 大幅プラス |
| S | デュプランティエ | 1.16億円 | 90.2 | +3.7 | 2.2億円 | 大幅プラス |
| S | 才木 浩人 | 1.2億円 | 157.0 | +3.5 | 2.1億円 | 黒字 |
| S | 及川 雅貴 | 3,000万円 | 62.0 | +2.8 | 1.7億円 | 超高効率 |
| S | 伊原 陵人 | 1,600万円 | 110.0 | +2.5 | 1.5億円 | 超高効率 |
| S | 石井 大智 | 8,200万円 | 53.0 | +2.3 | 1.4億円 | プラス |
| A | 岩崎 優 | 2.0億円 | 51.1 | +1.5 | 9,000万円 | 実績重視 |
| A | 大竹 耕太郎 | 9,000万円 | 98.0 | +1.2 | 7,000万円 | 適正 |
| C | ビーズリー | 2.48億円 | 29.1 | +0.2 | 1,200万円 | 乖離大 |
| C | ゲラ | 3.1億円 | 4.2 | -0.1 | – | 乖離大 |
| C | 西 勇輝 | 3.0億円 | 4.2 | 0.0 | – | 稼働不足 |
【投手総評】
算出した「代替補正0.084(高めの設定)」により、イニングを消化できる投手の価値が高まっています。
村上・才木の両輪に加え、及川・伊原という安価な若手がWAR +2.5以上を記録している点が、チーム防御率2.21の原動力です。
一方で、ゲラ・西勇輝・ビーズリーの3名(合計約8.5億円)の貢献度がほぼゼロに留まった点は、コスト効率上の明確な課題として浮き彫りになりました。外国人投手の明暗(デュプランティエの成功とゲラの不振)が激しいシーズンでもありました。
今後の展望:2026年への提言
2025年の阪神は「若手・中堅による莫大な余剰価値(黒字)」が、一部の高コスト選手のマイナスを補填する構造で成り立っています。 佐藤輝明、村上頌樹、才木浩人らの年俸高騰は避けられませんが、彼らに報いる契約を行いつつ、高コスト・低稼働枠の新陳代謝を進めることが、2026年以降の常勝維持の鍵となるでしょう。


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